ホラー

【映画感想】霊能者による除霊バトル!ホラー映画『来る』

来る
来る

https://eiga.com/movie/88644/

作品情報

作品名来る
監督中島哲也
脚本中島哲也
岩井秀人
門間宣裕
出演岡田准一
黒木華
小松菜奈
参考サイトyahoo!映画
映画.com

あらすじ

オカルトライター・野崎のもとに相談者・田原が訪れた。最近身の回りで超常現象としか言いようのない怪異な出来事が相次いで起きていると言う。田原は、妻・香奈と幼い一人娘・知紗に危害が及ぶことを恐れていた。野崎は、霊媒師の血をひくキャバ嬢・真琴とともに調査を始めるのだが、田原家に憑いている「何か」は想像をはるかに超えて強力なモノだった。民俗学者・津田によると、その「何か」とは、田原の故郷の民間伝承に由来する化け物「■■■■」ではないかと言う。対抗策を探す野崎と真琴。そして記憶を辿る田原…幼き日。「お山」と呼ばれる深い森。片足だけ遺された赤い子供靴。名を思い出せない少女。誰かがささやく声。その声の主…・そ・う・か!・あ・れ・の・正・体・は、・あ・い・つ・だ!

決して「■■■■」の名を呼んではならない。「■■■■」は、声と形を真似て、人の心の闇に・・・来る!!!どんどんエスカレートする霊的攻撃に、死傷者が続出。真琴の姉で日本最強の霊媒師・琴子の呼びかけで、日本中の霊媒師が田原家に集結し、かつてない規模の「祓いの儀式」が始まろうとしていた。彼らは、あれを止めることができるのか!?

©2018「来る」製作委員会

トレーラー

監督について

監督は中島哲也。本作では脚本も担当しています。最近の監督作品として「渇き。」、「告白」等があります。映画監督としては2004年の『下妻物語』から注目されるようになり、その後もヒット作・話題作を作り続けています。2010年の『告白』では日本アカデミー賞最優秀監督賞と最優秀脚本賞を受賞しました。『告白』は第83回アカデミー賞外国語映画賞の第1次選考9作品に残りましたが、最終ノミネート5作品には選ばれませんでした。

主演俳優について

主演は岡田准一。ジャニーズ、V6のメンバーです。最近の出演作品として、『SP』、『図書館戦争』、『永遠の0』、『ザ・ファブル』などがあります。格闘技のカリ、ジークンドー、修斗のインストラクター認定を受けており、その経験を活かしたアクションシーンがとても素晴らしいです!本作でもアクションへのこだわりを感じられるシーンが存在します。

 

 

 

 

以下、感想を書いています。ネタバレ注意!

 

 

 

 

幸せな家庭

物語は田原秀樹と田原香奈が秀樹の祖父の十三回忌に向かうところから始まります。
十三回忌を終え、秀樹の母と香奈が秀樹の子供時代の写真を見返しています。幼いころ、秀樹ととても仲が良かったが行方不明になった少女がいたことを母から聞かされますが、秀樹はその少女の名前を思い出すことができません。特に気にすることなく、横になった秀樹はそのまま眠ってしまいます。その中で、何かが家の中に入ってこようとする夢を見ます。

田原家の地元の伝承として「ぼぎわん」という妖怪が語り伝えられていますが、夢にあらわれた何かの正体は、「ぼぎわん」なのでしょうか。

この後は田原夫妻のライフイベントを追っていきます。結婚式、香奈の妊娠、マンションの購入等、周囲の人々に祝福されながら順調に進んでいきます。秀樹はこの後生まれる第一子のために、育児の勉強をしつつブログを書き始めます。

一見、幸せな生活を送っているように見えますが、うすら寒く感じられます。

発端

ある日、秀樹の職場で後輩が秀樹に来客が来ていることを伝えます。来客は「千沙」と名乗っているようですが来客の予定が入っていなかったため不審に思いながらロビーに向かいますが、誰もいません。後輩にその人物がどんな外見だったか問い詰めますが、思い出せない様子。あきれて後輩の肩を叩いたところ、突然そこから血が大量に流れました。しかし、大量の出血があったにもかかわらず、後輩はすぐに現場に復帰します。傷口は、何か動物に噛み千切られたような状態になっています。

その後、月日が流れて香奈が第一子を出産します。秀樹は職場で出産の報告をしますが、後輩の姿が見えません。実は後輩は、謎の傷を負った後から徐々に体調が悪化していき、入院していました。後輩のお見舞いに来た秀樹は、後輩の変わり果てた姿に驚愕します。やせ細った後輩は、これまで溜め込んでいた秀樹への不満を爆発させます。ですが秀樹はそれを笑ってごまかします。

ここらへんから、秀樹がやばいやつなのでは?と感じられる一面が垣間見えます。

「何か」による襲撃

それから2年後。秀樹がパパ友の集まりでちやほやされています。ブログ上では問題ないようにふるまっていますが、家の中はぐちゃぐちゃで、香奈も寝室に閉じこもるようになっていました。そしてある日秀樹が家に帰ると、壁に飾っていたお札がバラバラに破られていました。急いでリビングに向かうと、リビングはぐちゃぐちゃの状態になっており、香奈と娘の千沙は隅でおびえている状態でした。あまりの惨状に秀樹が困惑していると、電話が掛かってきました。秀樹が電話を取ると、電話を掛けてきた「何か」は娘の千沙を連れていくと話しました。

秀樹は電話を掛けてきた「何か」の正体が、田原家で耳にした妖怪「ぼぎわん」ではないかと思い始めます。

妖怪退治

秀樹は友人で民俗学の准教授である津田大吾に、先日起こった怪奇現象を相談しますが、真に受けてもらえません。そこで、秀樹は津田にバラバラになったお札の山を見せます。それを見た津田は、秀樹に野崎という人物を紹介します。野崎は元オカルトライターで、現在は何でも屋を営んでいる人物です。野崎のツテで秀樹は真琴という人物に出会います。真琴はキャバ嬢ですが、人ならざる者を感じ取ったりする不思議な力を持っていると言います。真琴は自身の能力を使って秀樹の心を覗きます。そして秀樹に「ちゃんと妻子にやさしくしろ」と発言したことで、秀樹は怒って真琴に協力してもらうことを拒絶します。

真琴が秀樹に対して核心を突いた発言をしたことが、秀樹の反応から見て取れます。

真琴、野崎、津田の元から立ち去った秀樹は、公園で一人ブログを書いています。ブログに映る千沙の姿を物憂げに見ています。

その様子は、うまくいかない現実から逃避してブログ上に理想の家族像を作り上げているように見えます。

日本最強の霊能者

秀樹が自宅に帰ると真琴と野崎が来ていました。真琴は秀樹に自らの発言を謝罪したうえで、家の状況が気になって確認しに来たとのこと。真琴は千沙ととても仲良く接しており、香奈にも笑顔が戻っていました。ですが、「あれ」は真琴たちがいても関係なく田原家を襲撃します。壁に掛かったお札が次々とバラバラに破られ、ポルターガイストが起こりました。真琴も想像以上の存在が現れたことに動揺しているようでした。

ポルターガイストが収まると、今度は真琴の電話に着信がありました。電話の主は真琴の姉の琴子で、真琴は琴子の真似をしているだけであり「あれ」は真琴の手に負えないこと、自らは忙しくて直接対応できないこと、代わりに信頼できる霊能者を紹介すると言われました。

秀樹と野崎は、琴子に紹介された霊能者に会いに行きます。紹介されたのは逢坂セツ子。メディア露出もしているようですが、面白おかしく取り上げられていました。その動画を見て不安になる秀樹でしたが、実際に合ったセツ子は別人のような雰囲気を放っていました。セツ子は秀樹に、「あれ」から電話が掛かってきて何を言われても言い返してはいけないと言われます。するとタイミングよく電話が掛かってきます。秀樹が電話に出ると、「あれ」は千沙や香奈の声など秀樹と関連のある人物の声を使ってきました。さらには、秀樹の声を使って香奈への不満を話し始めます。自身の心の声を暴露された秀樹は動揺して電話の声に言い返してしまい、言い返したことでセツ子の腕が「あれ」によって切断されてしまいます。「あれ」が千沙と香奈の元に向かっていると気づいた秀樹は急いで自宅に戻ります。戻っている最中に琴子から電話が掛かってきます。「あれ」が狙っているのは秀樹であり、自宅で「あれ」を招き入れて琴子が決着をつけると話します。秀樹は琴子に協力し、千沙と香奈を家から避難させ、秀樹一人で琴子の指示に従い準備を進めます。準備が完了し、いざ「あれ」を招き入れるタイミングで家の固定電話から電話が掛かってきます。琴子は電話に出てはいけないと指示します。固定電話の着信を無視していると、留守電に切り替わります。留守電から聞こえてきた声はなんと琴子でした。留守電の琴子の声は、秀樹が行った「あれ」を招き入れる準備はやってはいけないと説明します。今まで準備を指示していたのが「あれ」であったと気づいた時には時すでに遅し。秀樹は「あれ」によって殺されてしまいます。

こんなことされたらもう対策の方法ないですね…それだけに恐怖倍増です!

香奈パート

秀樹が死んでから1年後。夫を失った香奈はパートをしながら千沙を女手一つで育てていました。秀樹が死んだ際、香奈は母親から、涙一つ流さない香奈は人の心がないとなじられますが、香奈は秀樹が死んでことで清々したことを打ち明けます。一見家族思いで完璧な夫のように見えていましたが、実際は子育てブログに夢中になって家事も育児もしないという有様でした。そして香奈はそんな秀樹を死ぬ前から見限っており、津田と不倫関係になっていました。

シングルマザーをしている香奈のもとに、野崎が訪れました。真琴はあの一件から引き籠るようになったこと、千沙と香奈を心配していることを伝えます。実は「あれ」による現象はまだ終わっていなかったのです。虚弱体質の千沙の面倒を見ながらパートをこなす香奈は徐々に精神を追い詰められていきます。そして最終的に限界を超えた香奈は真琴に千沙の面倒を頼んで自身は津田のもとへ出掛けてしまいます。

真琴が千沙と遊んでいると、「あれ」が迫っていることを感じ取ります。「あれ」は次のターゲットとして千沙を狙っていました。真琴は帰ってきた香奈に千沙を預け、自らを身代わりにして香奈と千沙を逃がします。 ですが、逃げている最中に「あれ」に追い詰められて香奈は殺され、千沙は連れ去られてしまいます。

この物語の一番の被害者は香奈だと思います…ここらへんは見続けるのが辛くなりました。

琴子による除霊

身代わりになった真琴は、野崎によって発見され、なんとか一命をとりとめていました。野崎は真琴が入院している病院で琴子と出会います。真琴は一命をとりとめましたが、「あれ」もよる攻撃を受けたことで呪いに掛かっており、タイムリミットは残り少ないことを説明します。そして、明日までには「あれ」と決着をつけると言います。

ですが、琴子が呼び寄せた協力者の半数が「あれ」の妨害によって命を落とします。そのため野崎にも協力を要請します。翌日、田原家の周りを封鎖し、大規模に「あれ」の除霊するための準備が行われます。琴子が呼び寄せた協力者は数十名規模で、中には政府関係者やエンジニアまで混ざっています。

個人的にはこの準備シーンがとてもわくわくしました!人間が敵わない存在に、大勢が力を合わせて立ち向かうのはわくわくしますよね!

除霊が開始されると、琴子の思惑通りに事が運び真琴の救出に成功します。ですが、千沙は救出しようとはせず異界に封印しようとします。なぜなら、千沙が「あれ」を手なずけていることを気づいてしまったからです。真琴は恵まれない家庭に生まれてしまった千沙に同情し、千沙を助けようとし、野崎もそれに協力します。二人の固い意思に琴子は折れ、千沙と真琴、野崎を家から逃がして一人で「あれ」と対峙し、相打ちとなります。

総評

本作は小説が原作ということもあり、ストーリーが改変されています。自分は原作未読なので特に違和感なく楽しめましたが、回収されていない伏線が存在します。そのため、小説見る前に鑑賞するのが良いかと思います!また、キャストが素晴らしいです!琴子役の松たか子さん、セツ子役の柴田理恵さんはキャスティングが神がかっていたので、ぜひご覧ください!

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